蝋梅の苗木
蝋梅(ろうばい)とはどんな花?
蝋梅(ろうばい)とは中国を原産とするロウバイ科の落葉広葉樹で,木の高さは2~4mと低く、12月~2月にかけて香りのいい黄色い花が開花します。蝋梅(ろうばい)には「梅」という漢字が入っていますが、梅はバラ科の花なので、蝋梅=梅の一種ではありません。
蝋梅は開花した後に実をつけますが、実には有毒成分が含まれていますので、残念ながら食べることはできません。梅と思って間違って食べないように注意しましょう。
蝋梅の名前の由来は?
蝋梅の名前の由来はいくつかあり、朧月(ろうげつ・陰暦の12月)に梅と同じような香りのする花を咲かせるためであったり、花びらが蝋細工のように見えるなどのことからこのような名前が付けられています。
また同じく中国を原産とする「ナツロウバイ」と呼ばれる蠟梅もあり、これは5月~6月に開花することから冬に咲く蝋梅に対しナツロウバイと名付けられてます。花弁は白地に淡いピンク色が入っています。
蝋梅(ろうばい)の花言葉は?
蝋梅(ろうばい)の花言葉には「慈しみ」「ゆかしさ」「先見」「先導」があります。「慈しみ」は、あまり花の咲かない寒い冬の季節に開花することから、「ゆかしさ」はひっそりと黄色の小さな花を下向きに咲かせる蝋梅の控え目さに由来があると言われています。
「先導」「先見」は、蝋梅が他の花や植物より少し早い時期に開花することが由来とされています。
蝋梅(ろうばい)の種類は?
蝋梅(ろうばい)にはいくつか種類があるのでご紹介します。基本的にはどの種類も似た花を咲かせるのでパッと見は見分けるのが難しいかもしれませんが、見分けるポイントは、開花したときの花の中心部を見るとよいです。
和蝋梅(わろうばい)
宮城野通の『和蝋梅』は満開でした。
— Books & Tea(BT) (@HitoshiKamikubo) February 28, 2021
鼻を近づけてみると、微かにいい香り♪#花ノオト #仙台さんぽ pic.twitter.com/fxUaURpE1i
蝋梅の基本種である和蝋梅。名前に「和」と付いてますが、やはり原産は中国で、17世紀の江戸時代末期に日本へ伝えられました。花の外側が淡い黄色で、中心が暗めの赤色をしています。花弁が少し細いのが特徴です。
素心蝋梅(そしんろうばい)
素心蝋梅(ソシンロウバイ)が咲き、前を通るとふわっと甘い香りがします。#休園中 #庭園 #garden #Tokyo #Japan #Chimonanthus pic.twitter.com/S8GldxyoUF
— 六義園 (@RikugienGarden) January 3, 2021
花全体が淡い黄色をしていて、蝋梅と言えば素心蝋梅が多く見られます。諸説ありますが、花弁全体が同じ色というところから、「素心=純粋な」という名前が付けられたとも言われています。ほかの品種と比べ、香りが強いのが特徴です。
満月蝋梅(まんげつろうばい)
イマハナ
— 時計草 (@tokeisou88) December 14, 2021
花見山公園
🌼満月蝋梅(マンゲツロウバイ)が見頃です。#空ネット pic.twitter.com/IZYonrzm5M
花びらは黄色で丸みを帯びており、花の中心に赤紫色をした花弁が輪のようになっていることから「満月」と名付けられました。素心蝋梅から選抜された品種で、花が大きめで香りが強いのが特徴です。丸くてかわいい見た目なので、蝋梅の中でも人気があるそうです。
ナツロウバイ
ナツロウバイが咲いています。
— 都立水元公園 (@ParksMizumoto) April 30, 2018
開花時期が5月~6月なので、この名が付いたようです。
グリーンプラザ近くにあります。 pic.twitter.com/pXa4TUEFrW
冬に咲く黄色い花弁の蝋梅に対し、5月~6月に咲くことから「ナツロウバイ」と呼ばれています。香りはあまりなく、花びらは白色に少しピンクがかった色をしています。原産国である中国では、絶滅危惧種に指定されています。
蝋梅(ろうばい)の育て方~はじめに~
さっそく蝋梅の育て方を、分かりやすく解説していきます。中国を原産とする蝋梅は日本の気候にも適しており、丈夫で育てやすく管理も簡単な木なので、園芸初心者の方にはおすすめの植物です。木の高さは2~4mと低いので、おうちの庭や鉢植えでも育てやすいサイズとなっています。
蝋梅の入手方法
そもそも蝋梅を育てるには種からなのか苗木からなのかと疑問ですよね。先に結論を言いますと、どちらから育ててもいいです。今回のこの記事では園芸初心者向けに簡単にご紹介するということで、苗木からの育て方を解説していきます。
蝋梅の苗木はカインズやコメリなどのホームセンター、Amazonや楽天市場などでも購入可能です。下記に参考までに載せています。他にもありますので、いろんな種類など見てみるといいでしょう。
蝋梅の苗木
植え付け時期
蝋梅の植え付け時期は、真冬を除く落葉期である11月~12月、2月中旬~3月に行います。寒い時期に植え付けると枯れる場合があるので、寒さの厳しい時期は避けましょう。暖かい地域では、11月~3月のどの時期に植え付けても問題ありません。
植え付ける最適な場所
蝋梅の植付ける場所(鉢植えの場合は鉢を置く場所)は、日当たりの良い場所か日影が少ない場所を選びましょう。蝋梅は寒さには強い植物ですが、湿気には弱いため、水はけのよい場所(鉢植えの場合は水はけのよい土)を選びます。そして春~夏までは日光によく当てます。日当たりが悪いと花付きが悪くなってしまうので注意しましょう。
植付けは鉢でも庭植でも可
蝋梅は低木と言っても4mほどまで育つこともあるため、鉢植えの場合は深さが30㎝以上はある鉢を選ぶといいでしょう。
庭植えの場合は、苗木の株についている根と土の着いた部分(根鉢:ねばち)の大きさの2倍の幅・深さの穴を掘って植えます。直接庭に植える場合は、植え替えが難しいので、日当たりと水はけのよさはあらかじめ確認して植えるようにします。
蝋梅(ろうばい)の育て方~実践~
土
多湿を嫌う蝋梅には、水はけのいい土を選びましょう。草花用・観葉植物用・サボテン用など栽培の用途によって土の種類は変わるので、市販の土を購入する際は注意して選ぶ必要があります。蝋梅を育てる際は草花用の土を買います。腐葉土を混ぜると水はけのいい状態の土を作ることができます。
肥料
蝋梅に肥料は必須アイテムではありませんが、成長期である4~5月と12月に緩効性肥料や有機質肥料を使用することで、根張り強化や新芽・花芽の増加に効果的。液体肥料と固体肥料がありますが、栄養分がゆっくりと吸収される固体肥料のほうが根を傷めにくいです。
水やり
蝋梅は基本的には水やりは必要としない植物です。水はけのいい場所に植えた蝋梅には、植え付けた後は水をたっぷりと与えますが、水をやりすぎると根が腐ってしまう恐れがあります。しかし逆に乾燥しすぎてもダメなので、乾いているようであれば水を与えてあげましょう。よほど日照りが続かない限りは、自然の雨だけに任せてもいいです。
病気・害虫対策
蝋梅は害虫や病気に強い植物なので、特に病気・害虫対策は必要ありません。ただし葉が黄色くなったり黒い斑点が出てくる場合は、病気というより水はけの悪さが原因で、根が腐ってしまったり土が固くなってしまっていることが考えられます。
蝋梅の葉がこのような状態になった場合は、水はけや土の状態、日当たりなどの状況を確認してみましょう。蝋梅が病気や害虫に強いというのも園芸初心者におすすめの植物としてのポイントです。
蝋梅(ろうばい)の育て方~プラスα~
剪定
蝋梅はもともと樹木がきれいな形で育つ植物のため、あまり剪定の必要はない植物です。しかしそれは成木となった蝋梅の場合なので、植えたばかりで育ち盛りの蝋梅に対しては、少し剪定が必要となってきます。
枝が増えすぎている場合や内側に伸びる枝は、風通しや日当たりをよくするために剪定を行いましょう。また蝋梅の花は短い枝に花芽がつきやすいので、長く伸び切っているような枝があれば短く切るとよいです。
増やし方
蝋梅がある程度育ちもっと増やしたくなった場合、蝋梅の増やし方には方法が2つあります。ひとつは枯れた花から種を採取する「種まき」で、もう一つは「挿し木」です。まずは「種まき」での増やし方についてご紹介します。
種まき
種まきの時期は9月が適しており、開花し花が枯れた後にできる種を採取し、すぐに蒔きます。種まき用の土があるので、種の大きさの約3倍の深さに土に小さく穴を掘って種を蒔きます。種を蒔いた後は乾燥しないようにしっかりと水やりを行います。
9月頃に種まきを行うと春に発芽します。本葉が数枚でたところで鉢に植え替えましょう。蝋梅は発芽率のいい植物ですが、花が咲くまでには種を蒔いてから5年~7年ほどかかります。
挿し木
次に「挿し木」での増やし方についてご紹介します。挿し木の時期は6月頃がおすすめで、既にある程度育っている蝋梅の木から柔らかい枝を選び、枝元から15㎝ほどで切り取ります。
枝の切り口は水分の吸収をしやすくするため、ギザギザに切ってしまわないように注意しましょう。切り口には発根促進剤を塗り、挿し木用の土にさし、新しい根が生えて安定するまでは乾燥しないよう水をこまめに与えます。
蝋梅(ろうばい)の楽しみ方
蝋梅は香りのいい花なので、切り花として飾ると部屋中が蝋梅のいい香りに包まることでしょう。蝋梅の香りには鎮静効果や精神安定作用、空気清浄などに効果的と言われているので、寝室などに置いておくとリラックス効果が期待できます。
蝋梅(ろうばい)を観賞できる名所
中国を原産とするロウバイ科の落葉広葉樹である蝋梅(ろうばい)。そんな蝋梅は日本のどこで観賞できるのか、蝋梅の名所をまとめてみました。蝋梅には様々な種類があるので、日本全国でいろんな品種のものを見ることができます。
蝋梅の里(栃木県)
栃木県の蝋梅の里には4,000坪の園内に約5,000株の蝋梅があり、日本最多である4種の蝋梅(原種・基本種・満月・素心)を観賞することができます。なんと4種類を1ヶ所で見ることができる施設はほかに無いようで、基本種は日本ではここでしか観ることができません。
園内には日本一巨木の満月蝋梅があり、園の入口では切り花や苗木、蝋梅の香水などが販売されており、香水は甘くて清々しい香りがします。
蝋梅の里
- 住所〒328-0211
栃木県鹿沼市上永野278
松田町寄ロウバイ園(神奈川県)
2万本以上ものロウバイが植えられている日本最大級のロウバイ園です。毎年1月中旬~2月下旬に「ロウバイまつり」が開催されており、開花の時期にはたくさんの観光客で賑わっています。
2022年は1/15~2/6の期間で「ロウバイまつり」開催される予定です。会場ではお祭りの期間中に農作物や特産品の販売が行われ、食堂では豚汁や地酒を使った甘酒などのメニューがあります。
松田町寄ロウバイ園
- 住所〒258-0001
神奈川県足柄上郡松田町寄3384
神通蝋梅園(徳島県)
約200本の蝋梅を観賞することができます。園内は蝋梅の甘い香りに包まれており、山を少し上った場所且つ山に囲まれているので、美しい景観とともに蝋梅を楽しめます。園内では干し柿やこんにゃくなどの特産品の販売もあります。
神通蝋梅園
- 住所〒771-3422
徳島県名西郡神山町上分中津563
まとめ
中国を原産とするロウバイ科の落葉広葉樹である蝋梅(ろうばい)についての基本情報や、園芸初心者でもできる育て方についてご紹介しました。蝋梅と言えば黄色い花というイメージですが、実は夏に咲く少しピンク色をしたナツロウバイという蝋梅もあります。
蝋梅は丈夫で育てやすい植物のため、園芸が初めてでも安心して育てることができます。冬のお庭をパッと明るくさせる黄色い花「ロウバイ」を育ててみてはいかがでしょうか。
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